調べる学習コンクールinとしま 受賞作品発表
2015.12.06
その他
公益財団法人図書館振興財団主催の「図書館を使った調べる学習コンクール」の地域コンクールである「調べる学習コンクールinとしま」は第13回を迎えました。毎年、応募数が増えてきて、昨年に較べて500点多い、1123点の作品が届き、11月25日の最終審査会にて受賞作品が決定致しました(私の書いたホワイトボードの字が大変汚くてゴメンナサイ)。
区長賞には池袋第一小学校2年生 久郷 悠人さんの『歯の生えかわり七つのひみつ』と目白小学校4生 遠島 麻央さんの『昆布の恩がえし』が選ばれました。
久郷さんは乳歯が抜け、永久歯が生え変わる過程で、横から生えてきてしまって困ってしまった、という身近な体験から歯の生え変わりについて7つの疑問点を挙げ、ひとつひとつ自分の予測を立てながら参考文献を調べ、自分の口内の写真を用いながら丁寧に解決させていきます。人間以外の生き物の歯についても関心を持ち、動物園や水族館の飼育員に話を聞きに行く、フィールドワーク要素も大変興味深かったです。
遠島さんは休みの日に朝食を作るようになって、お味噌汁の出汁で使う昆布を水に浸している際に「海でも出汁が出るのか?」という疑問に端を発し、「出汁とはそもそも何だろう?」と興味を掘り下げていきます。煮干しなどの各種出汁の比較、水の塩分濃度での比較、乾燥状態での比較など実験をし、好奇心を徐々に理解を深めていく過程に、読む側も引き込まれました。
教育長賞には長崎小学校2年生 武井 智咲さんの『ほしがきはふしぎのかたまり』と仰向小学校6年生 高嶋 玲佳さんの『役立つ生き物 環形動物』が選ばれました。
武井さんは毎年お祖母さんが送ってくれる干し柿が大好き。ぜひ自分で作ってみよう、という興味から何故渋柿の渋みが取れるのか。何故干し柿は甘くなるのかにべていきます。干す過程を観察日記にしている様が本当に楽しそうで、読んでいるこちらも食べたくなってしまいます。後半では干し柿名人にインタビューを行い、保存食としての干し柿を知り、食文化について理解を深めていきます。
高嶋さんのテーマは環形動物。渋いです。海水魚の飼育セットを買ってもらったものの、なかなか上手くいかず、魚を死なせてしまい悲しい気持ちでいるところに発見したゴカイから興味を膨らませていきます。とにかく微に入り細に入る調査が素晴らしいです。フィールドワークを行い、研究所に写真を送り、質問をする姿勢など、探究心に脱帽。最終的には自然環境に関心を向け干潟の生物を守ることの大切さに気づいていて、発展学習の見本となっているなと感じました。
以下、審査委員特別賞に長崎小学校2年生 荒井 柚帆さん『なんで青がすごいの?』、高南小学校3年生 小田切 碧生さん『暗号大研究』(私のイチオシです)、目白小学校4年生 大橋 馨子さん『大切な塩』。
としまテレビ賞に仰高小学校1年生 岩井 まゆさん『ユニバーサルデザイン探検』、朋有小学校1年生 志田 真奈さん『みんなにやさしいすてきなデザイン』、仰高小学校2年 佐藤 世梨さん『じもとかるた』(豊島区の名所を紹介していてオススメです)、駒込小学校2年生 吉田 裕紀さん『日本の線ろ』、朋有小学校5年生 志田 一太さん『大きな宇宙の小さな粒』。
豊島新聞社賞に駒込小学校2年生 小林 杏さん『てんてんてんじ』、西巣鴨小学校3年生 堀川 羅奈さん『ツバメの1年』、富士見台小学校4年生 大野 耕太郎さん『納豆とネバネバの秘密』、朝日小学校5年生 久保 瑛介さん『心の場所知ってる?』(哲学的問題にも触れているオススメです)、高南小学校5年生 佐藤 魁星さん『「新聞」に迫る!!』。
他、奨励賞が15名です。
名前を挙げました受賞作品については「調べる学習コンクールinとしまホームページ」にて実際に読むことができます。
受賞作品は全国を対象とした公益財団法人図書館振興財団主催「図書館を使った調べる学習コンクール」に応募されます。目指せ!文部科学大臣賞!