池袋学「リアル池袋論-国際都市としての池袋-」を受講しました。
2015.11.08
池袋学
10月31日㈯、立教大学太刀川記念館3階ホールにて行われていた立教大学と東京芸術劇場の連携講座「池袋学」に行って参りました。今回のテーマは「リアル池袋論-国際都市としての池袋-」、講師は元NHK記者で現在㈱TOKYOSTAY代表で立教大学経済学部の講師も務める鈴木庸介氏。
鈴木氏はNHK記者を経て海外の大学で外国人の社会政策を研究し、現在代表を務める会社では外国人向けシェアハウスやアパートを運営し、諸外国人と日本人との社交の場を設けている関係上、都内の外国人事情に精通していて、その話は非常に新鮮でした。
都内に増えている中国人観光客の消費するお金が国内外の中国系企業の間で還流していて、国内企業に回ってこない、ホテルが空き室を埋めるため激しいダンピングを行い不均衡が起こっていることなど、「爆買い」の裏にある問題は大変興味深かったです。都内の都市でも池袋が外国人に検索される場合、英語よりも中国語が多く、インバウンド事業で大きなチャンスのある街ですが、同時に課題も多いのであると認識しました。
日本でも外国人観光客が増えたことによるホテル不足から、Airbnbを始めとした「民泊」の需要が高まっていることに触れ、その可能性や問題点についても切り込んでいました。池袋でも無許可の「民泊」の登録が増加していて、中には高級分譲マンションも存在するそうです。Airbnbなどを介したお金のやり取りは自治体の税収につながらないなど、日本国内でこれらのサービスが健全化するには行政の力が必要となることでしょう。
またJR板橋駅付近にフランス国立の東京国際フランス学園が移転してきた関係で、池袋を含む城北地区にフランス人が増加していて、今後外国人街が展開される可能性があること、その際に必要な「住居」「仕事」「出会い」の3要素を満たしていく必要があることなど、初めて知ることがありました。
違法外国人問題の話も興味深く、新宿歌舞伎町での違法な商売をするナイジェリアを初めてとした外国人が現地に大金を送金することで、アフリカ諸国に日本語を話しうエスタブリッシュメントが今後増え、日本との関わりが生まれるであろうことなど、犯罪という一側面を見るだけではなく、あえて日本にとっての益となる可能性に触れる鈴木氏の視点は斬新で、考えさせられるものがありました。
日本に住む日本人にとってはともすればネガティブに見られることも多々ある外国人ですが、今後少子化が進んでいく中、国際化は避けられません。その中でいかに彼らを受け入れ日本のコミュニティに親しんでもらい、共生していくのか、今後真剣に考えていかなくてはならないと感じました。