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8/26 チャレンジする池袋  活性化へ発想次々・・・毎日新聞

2013.08.27

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街活:/23 チャレンジする池袋 活性化へ、発想次々 /東京

毎日新聞 2013年08月26日 地方版 ← PDF

 池袋(東京都豊島区)はユニークな取り組みが次々と生まれる街だ。例えば、町内会などの地域限定で利用できる「地域通貨」。一般的には地元商店での買い物で利用できるお金のようなものだが、池袋には地域通貨をアイデアにした「アイポイント」と呼ばれる制度がある。街のボランティアをした人にアイポイント券を贈呈し、新鮮なジャガイモやダイコンと交換できる楽しい仕組みだ。

 運営するのは地元商店会のメンバーなどで作るNPO法人「ゼファー 池袋まちづくり」。駅前の放置自転車への禁止ビラ張りや防犯パトロール、池袋にキャンパスのある立教大学生による植栽の手入れ、埼玉県熊谷市の計約1ヘクタールの農園での作業など、現在五つのボランティア活動がアイポイントの対象だ。

 バブル崩壊後、商店会の有志が地元振興策として地域通貨の導入を検討したのがきっかけだ。研究を続けたが通貨としての導入には難しい課題があると分かり断念。類似の町おこしができないかと考えていた時、商店会の福利厚生のために借りていた熊谷市の農園の活用が思い浮かんだ。街づくりに参画した人にポイントを付与し、対価として収穫したジャガイモを渡す仕組みを考案。2006年から運用を始めた。ゼファーの認定ボランティアに参加するとアイポイント券1枚がもらえ、イベント会場などに設けられた交換所で1枚に付き7月はジャガイモ、11月はダイコンと交換できる。今では年間2000枚発行する。

 ゼファーの理事長で、池袋で洋品店を営む石森宏さん(66)。「街への奉仕と地域の活性化を両立させる新しい取り組みになった。池袋には他にもたくさんのボランティア団体があるので、アイポイントの対象をもっと増やしたい。規模が広がったときに農作物をしっかり提供できるよう、もっと農地運営も充実させなければ」と意気込む。

 「にゅ〜盆踊り」も先進的だ。NHKの朝ドラ「てっぱん」で「てっぱんダンス」の演出もした人気振付師で、ダンスグループ「コンドルズ」の主宰者でもある近藤良平さん(45)が考案した新型盆踊りだ。池袋駅前の池袋西口公園を会場に、09年に参加者2000人で始まり、5回目を迎えた今年7月には過去最高の4200人が集まる池袋最大の盆踊り大会に成長した。

「伝統的な盆踊りは1人で踊るものだけど、にゅ〜盆踊りはフォークダンスのように2人で踊る要素を取り入れた」と近藤さん。「都心にあっても孤独にならないで、誰かと一緒に踊ってつながれる。震災の時にまさにそう思ったけど、出会いのある盆踊りなんです」。事前にワークショップを開いて型を教え、祭り本番では覚えた人が先頭に立ち、当日の飛び込み参加者をリードする。「そうやってまた人の輪が広がっていく。都会だってそんなことができる」と近藤さんは笑顔だ。

 新たな交通機関の構想も。東口の真ん前を通り、交通量が激しい主要都道「明治通り」のバイパスが19年にも約500メートル東側に完成し、駅前を大改修する好機が来る。区が検討するのは駅前の全面広場化と駅周辺を周回するLRT(路面電車)の導入。民間の支援組織「池袋の路面電車とまちづくりの会」の溝口禎三さん(60)は「環境に優しく、何よりかっこいい街に生まれ変わるチャンス」。池袋の街のどこかで挑戦は続く。【窪田弘由記】

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