池袋ふくろう物語12話つづき
2011.08.27
その他
(写真は本文と関係ありません。大久保農園の写真です。)
えんがわベンチの目の前は、まささんのお家のおにわです。
木でできた少し低いかべの向こうには、みんながよく通る道があります。
えんちゃんがすわってみると、おにわの涼しい風がふいてきました。
「わぁっ、すごいや!涼しい風がふいてる!」
「にわの木が暑い風を冷やしてくれたんだよ。」まささんが言います。
「えんがわの下やにわに水をやると、もっと涼しくなるぜ」そう言うとふじさんは、持っていたじょうろでおにわのしばふに水をあげました。
さっきよりも涼しい風がふきました。
「えんがわは昔の人間の家についていたものなんだ。ぼくたちは木の勉強もするけど、人間の勉強もしているんだ。これはぼくたちの家にもあったらべんりかなと思ってつくってみたんだよ。」やまさんが言います。
えんちゃんはそれを聞いてびっくりしました。
「人間はぼくたちが困るものも作るし、ぼくたちがよろこぶものも作るんだね!」
「そうなんだ。それがふしぎだから、ぼくたちは人間の勉強もしているんだ。」
お兄さんたちの話を聞いて、えんちゃんは自分も人間のことを勉強しようと思いました。
よにんですわっていると、庭の向こうの道を飛んで行くふくろうさんたちが声をかけていきます。
みんな、えんがわベンチがめずらしくて気になるのです。
「こんばんは、みなさんは何をしているんですか?」
「ここに座ると涼しいんです、少し休んでいきませんか?」
お兄さんたちは、声をかけてくれる人をえんがわベンチにしょうたいしていきます。
えんがわベンチはとても長いので、おとなのふくろうがたくさん座れます。
すわったみんなとおしゃべりしているうちに、みんなが仲良くなりました。
「えんちゃん、えんがわにはみんなを仲良しにする魔法もあるんだよ。」
まささんの話を聞いて、えんちゃんはとってもうれしくなりました。
お家にかえったらパパとママに、明日は知ってるおともだちみんなに、えんがわのことを知らせようとおもいました。
#12おしまい