池袋ふくろう物語 第10話
2011.06.24
その他
ふくろう物語について
熱烈な出演希望をいただいたので、今回のふくろう物語にはある方をモデルにしたふくろうさんが登場しています。
えんちゃんをいじめて最後には仲良しになる役で、とのご希望でしたが、けんかの仲裁をするお兄さん役での登場となりました。
仕草や口癖がわからず、面影が名前にしか出ていませんが、誰がモデルか当てていただけると嬉しいです。
ふくろう物語 #10
ある日、えんちゃんはふくろ森公園に出かけることにしました。
ふくろ森公園はえんちゃんのお家の近くにある大きな公園で、大きなすべり台やきれいな色のブランコがある、楽しい公園です。
えんちゃんは公園に集まってくる他のフクロウの子たちとおにごっこをしたり、かくれんぼをするのが大好きです。
今日は誰がいるのかな、今日は何して遊ぼうかな、と考えながらえんちゃんは公園までわくわくしながら飛んでいきました。
公園の近くまで来ると、えんちゃんよりも小さいフクロウの子たちが困った顔をしています。
「みんなどうしたの?」えんちゃんはみんなに聞きました。
「あのお兄ちゃんたちが、ここはおれたちが遊ぶ場所だからどけっていったの。」
その中のひとりの子がさすほうを見ると、えんちゃんよりも少し年上の3羽のふくろうが、滑り台の上にいました。
公園はみんなであそぶところなのに3羽だけで使おうとしているのはずるいし、自分たちより小さい子のことを追い出すなんて、えんちゃんは許せませんでした。
「よし、ちょっとまっててね。ぼくがみんなで使うところだよって言ってきてあげるからね。」
えんちゃんはすべり台の上に飛んでいき、すぐに3羽に向かって言いました。
「公園はみんなで遊ぶところなのに小さい子を追い出すなんてひどいよ!」
3羽ともえんちゃんよりも体が大きいので、」目の前に立つと恐い感じがします。
すると、そのなかの1羽がえんちゃんを怖い顔でにらみながらこう言いました「うるさいな、おれたちが使ってるんだからおれたちの公園なんだよ!」
もう1羽もつづけて言います。
「そうだそうだ、おれたちの公園だからほかのやつは入っちゃだめなんだぞ!」
えんちゃんは怖いと思いましたが、それでもがんばって、さっきよりも大きな声で3羽に言いました。
「公園はみんなの公園だよ!なんで自分たちだけで遊んだりするの?みんなでなかよく使わなきゃだめなんだよ!」
すると、3羽のなかでもいちばんこわそうなふくろうが、えんちゃんを怖い顔でにらみながらこう言いました。
「うるさいな!ちびのくせになまいきだぞ!早く出ていけ!出てかないとぶつぞ!」
3羽がじりじりと円ちゃんに近寄ってきますが、えんちゃんは一歩も引きません。
向こうのほうが悪いんだからやっつけてやろうと思いました。
そのとき、どこからか話を聞きつけたふくちゃんと、さっきの小さい子たちがやってきました。
「えんちゃん、大丈夫?」ふくちゃんが心配そうに聞きます。
「けんかしたらだめだよ、えんちゃんがけがしちゃうもん。」
「お兄ちゃん、あぶないからけんかしないで。僕たち向こうで遊ぶよ」
「でもみんなだって遊びたいだろう?」 (10話つづく)