立教大学学生発行雑誌「st.paul’s campus」に掲載された内容です。A
2007.07.20
その他
(つづき)
放置自転車対策、環境の緑化と美化、畑での仕事、環境浄化パトロール。それまでバラバラに行われていたその4つのボランティアがこのアイポイントのシステムの下、つながった。
放置自転車対策の活動は、会社のお昼休みの15分を利用して駅前の放置自転車1台1台に注意のビラを貼る。「おそらく4つの活動の中で1番地味な作業。だからこそボランティアに来てくれた人には笑顔で挨拶しています」とリーダーのとしまNPO推進協議会会長柳田好史さん。その笑顔のおかげで参加した人たちは来てよかった、また来ようかな、そう思えるのだろう。
そして本学現代文化学科の阿倍(治)ゼミの生徒が中心となって行われている環境の緑化と美化の活動。立教のツタを池袋の街に自分たちの手で植えたり駅前の花壇に水遣りをしたり。そんな花壇の水遣りの活動を見ていた全く知らない掃除のおばさんが「実は私も時々この花壇に花を植えているのよ」なんてこともあった。
畑の仕事でのつながりだって様々だ。アイポイントのTV取材で畑に来て以来どっぷりはまってしまい毎週畑に通うカメラマンの夫婦。「畑仕事はセラピーだ」と言い、障害を持った方々を連れてやってくる人。池袋に関係ない人たちも自然とやってくる。
環境浄化パトロールでは、客引きやスカウトをする人に花壇の水遣りや掃除を手伝ってもらい、このつながりに巻き込みながら問題を解決しようとするアイデアもある。
ジャガイモにしたってツタにしたって花壇にしたって、<植物のチカラ>を借りている、と石森さんは言う。「人と人のコミュニケーションは直接的にとるのでももちろん構わないのだけれど、
植物というのが間に入るとその<つながり>がすごくやりやすくなるんだよね。ジャガイモって安いものだけど、自分たちで、みんなで作ったってことに価値があるわけでしょ。ツタもそう、自分が植えたから愛情が湧くわけ。こういうチカラはどんどん利用したほうがいいんだよね」。
そして先日、年に1回のアイポイントとジャガイモの交換会が行われた。もちろん運営は普段からアイポイントの活動をしている人たち。普段は4つのバラバラな活動をしている人たちが一斉に集まった。そう、またここでも広がる人と人のつながり。
石森さんがこんなことを教えてくれた。「どこかのブログでこのアイポントのことを、『池袋らしくない』って書いてあったんだよね。 『らしくなくて、すてきですね』って。それがものすごく嬉しいわけだよ。池袋も良くなるよ。西口のこの動きって東口とは違ったひとつの街づくりのやり方であるけどちゃんとカタチになりつつあるからね」。
ちょっとしたボランティアから始まるこのつながり。自然といろいろなところからやりたい人が集まってくるこのつながり。そんな<つながり>が池袋西口にはある。
(SPC赤池さんが書きました)